お持ち込み材「思い出架け箸」

『思い出架け箸』お持ち込みいただいた材料を使って、世界で唯一の御箸を、お誂えします。

お持ち込みいただく素材には、その材にゆかりある人達の大切な思い出や、懐かしい記憶がいっぱい詰まっているのではないでしょうか。

そんな思い出が詰まった素材から、一人ひとり専用の御箸をお誂えし、過去の懐かしい思い出と 今とをつなぐ架け橋(箸)となる1膳を制作したいと思っています。

◆最初に ご確認下さい。

※材の種類が分からない場合は制作できません。口に入れる食器ですので安全性が必要だからです。

※よく神社・仏閣から出た材での制作依頼をいただきますが、ほとんどが杉やヒノキなどの針葉樹です。針葉樹は柔らかい材質の為、普段使い用の丈夫な御箸には仕上がりません。

※現在多忙につき、大きな丸太を持ち込んでの制作はお断りしています。厚みが4センチ以下の板材からの制作のみとさせていただきます。

◆制作にかかる費用は「製材費」と「制作費」です。

「製材費」とは、その材料が御箸作りに適している材かどうかの見極めをする為に、製材して品質をチェックします。この製材と材の見極め料が「製材費3,000円~」です。

※材の大きさや量にもよりますので、「製材費3,000円から」という設定にしております。
詳しくは実際に材を見たうえで、ご相談させていただきます。

※御箸には適さなくても、箸置きなど小物の制作は十分可能です。

「製作費」とは、実際に御箸を作る作業費で、素材や形状により少し変わりますので、詳しくは下記の表をご参考下さい。

【価格表】

竹材の場合 「製材費3,000円~」と、制作費:竹箸(1膳)「4,000円~」の合計です。
制作費は形状により異なり【四角形:4,000円】【節付き:4,300円】
【流線形:4,500円】【欠満月:4,800円】になります。
◆箸置き:1個500円
木材の場合 「製材費3,000円~」と、制作費:木箸(1膳)「5,000円~」の合計です。
制作費は形状により異なり【四角形:5,000円】【流線形:5,500円】
【八角形:5,800円】【小判型:6,000円】になります。
◆箸置き:1個500円

ここから下はこれまでに制作した、お客様の思い出が詰まった
『思い出架け箸』の作品例です

◆東京の建築会社からの御依頼、建て替える建物の柱だった
【杉の古材】から作った「御箸」と「箸置き」

◆今回は建物の所有者の方ではなく、工事を請け負った建設会社様からの御依頼でした。建て替える家の柱だった【杉の古材】から「御箸と箸置き」のセットを作って欲しいという御依頼で、同じ材
からお揃いの「御箸と箸置き」を8組制作しました。後日、商品を発送し、担当の方に出来上がった
写真を送ったところ「正直、思っていた以上の出来栄えに、早くお客様に渡すのが楽しみです。」
感謝のお言葉をいただきました。こちらこそ本当にありがとうございました。

◆砂漠に埋もれて、永い歳月眠っていた貴重な銘木材
【砂漠鉄木(デザート・アイアンウッド)】から作った「御箸」と「箸置き」

◆世界的にも希少な銘木材【砂漠鉄木(デザート・アイアンウッド)】から「御箸」と「箸置き」を制作しました。

正式名称は『 アリゾナ ・デザート・アイアンウッド』と呼ばれ、アリゾナ砂漠で永い歳月地中に埋もれ眠っていたとされる銘木材で、鉄のように堅い木材(アイアンウッド)の一種です。主な用途は高級ナイフのハンドル材に使用されます。

下の写真が送られてきた原木です。

ご覧の通り、 節が多く点在し、木目が複雑に入り混じる非常に難しい木材でしたが、何とか7膳分の御箸と箸置きを制作し、ご依頼主の山梨県のお客様にお届けする事ができました。

後日、丁重に御礼のお電話をいただき、「京都おはし工房さんに頼んで本当に良かった」という一言をいただけたのが、本当にうれしかったです。

今まで作った中で3本の指に入る程の難しい作業になりましたが、最後にうれしいお言葉をかけていただき、コロナ疲れの暗雲も少しは晴れたような気がします。

完成した「御箸」と「箸置き」

貴重な『屋久杉』から制作した「取り箸」と「箸置き」

屋久杉 【取り箸】と【箸置き】

開店してすぐに作らせていただきましたので、もう16年程前になります。

茶道に詳しいお客様で、「自宅にある古い茶箪笥が痛んできて処分しようと思っているけれど、きれいな屋久杉の戸板だけは何かを作って手元に置いておきたいので、御箸が作れないか」と、ご相談がありました。

屋久杉はあまり硬い木材ではないので、普段使いの御箸は難しく、その代わりにお茶をされるお客様でしたので、取り箸という形で ご提案させていただきました。

塗りも拭き漆で仕上げることで、屋久杉特有の緻密で美しい木目が浮かび上がり、御箸として新しい命を吹き込むことが出来ました。

出来上がった御箸を手渡した時の、お客様の笑顔は今でも忘れることが出来ません。

作らせていただいた私にとっても思い出に残る一膳となりました。

消えゆく稀少材『本煤竹』で作った「夫婦箸」と「箸置き」

煤竹夫婦箸【箸置き付】
結婚式の記念品に両家の「父母」「祖父母」の皆様にプレゼントされました。

こちらは結婚式の記念品として、両家の「ご両親」と「祖父母」の皆様に手渡しする御箸を作って欲しいというご依頼を受けました。

使ってほしいと持ち込まれた材料は、お婆さまのご実家が藁葺屋根の古民家だったらしく、そこの天井にきれいな煤竹があるので、ぜひそれを使って夫婦箸を誂えてもらえませんかというお話でした。

渡された煤竹を見てみると厚みもしっかりしていて、十分に御箸が出来るサイズでしたので、夫婦箸と一緒に箸置きも作らせていただきました。

出来上がった御箸を新郎・新婦に手渡した時、お二人が「御箸なら毎日使ってもらえて、毎日私たちのことを思い出してもらえたらうれしいね」と話されていたのが今でも印象に残っています。

御箸とは人の心や思いが詰まった大切な食器だと、改めて心に刻めた、感慨深いご依頼でした。

捕鯨船のスクリューの軸受けから作った「御箸」と「箸置き」

癒蒼木 (ゆそうぼく)八角箸【箸置き付】

癒蒼木(ゆそうぼく)あまり聞きなれないこの木材は、世界で最も重たい木材として、古くは「ボーリングのボール」を作るのに使われたという記録があります。癒蒼木という漢字は、この木材の樹液が様々な病を癒す効果を持つ事と、時間の経過と共に蒼い緑色に変化する特徴から名付けられました。

更に、この木材は樹脂分を多く含み、船舶スクリューの軸受けとして重宝され、長年油をささなくてもそのまま使用できたと伝えられています。

今回の「思い出架け箸」は15年近く前になりますが、小豆島のお客様でした。定年までずっと捕鯨船に乗っていたお父様が、捕鯨船の船舶スクリューの軸受けに使われていた癒蒼木を記念に持っておられたそうです。

その癒蒼木の軸受けから、還暦の御祝用に御箸と箸置きを作って欲しいというご依頼でした。
確かその時は20膳程の御箸が作れて、親戚の方々に配られたそうです。

後日、みんな大変喜んでいたという内容の御礼の手紙と、小豆島の干しシイタケまで送っていただき、今まで食べた中で一番おいしいシイタケだったのを今でもよく覚えています。

商品代はきちんといただいたのに、御礼状やシイタケまで送っていただいた御厚意に深く感謝すると共に、私達にまで思い出の架け箸を広げていただいた御厚情は今でも大切な記憶として残っています。

お寺の歴史を見守ってきた楓(かえで)の大木から作った『御箸』と『箸置き』

美しい杢の浮かんだ、楓(かえで)の 銘木箸

今回の御依頼は、近くの妙心寺にある古いお寺のご住職からの御依頼でした。

「本堂の移築で、庭にある楓の古木をどうしても切らないといけなくなってしまったので、御箸という形で上手く有効活用できないか」という ご相談でした。

更に話を聞くと、「永い歳月お寺と共に歩んできた思い入れのある古木なので、御箸という形で新たな命を吹き込んで檀家の皆様にお配りしたい」という御意向でしたので、『御箸』と『箸置き』をセットで作り、『お寺の楓の古木で作りましたという説明書きを添えて』桐箱に入れ、のし紙を巻いて包装し、200組ほど納品させていただきました。

後日、檀家の皆様も非常に喜んでいたという御報告を、ご住職から聞かせていただきました。
こちらこそ本当にありがとうございました。

最後に、今回の主役である楓の古木がいてくれた事で、多くの方々に『思い出の橋渡し』をすることができました。永い歳月を生き抜いた立派な楓の古木に深く深く感謝です。

江戸時代から続く老舗旅館の【松の古木】から作った『御箸』

『松の古木箸』1膳1膳、木目の表情が違うところが天然木の魅力です。
【一番上が御箸になる前の原材料です。】

◆今回、『星野リゾート 界 熱海』様から【思い出架け箸】の制作依頼を受けました。

1894年(江戸時代)から続く老舗旅館をリニューアルされる事になり、その歴史と伝統を長年に渡り支えてきた建物の一部【松の古木】から、世界で唯一の御箸を誂えて欲しいという御依頼です。

松は一年中、常に緑の葉を付けている事から『常盤木(ときわぎ)』と呼ばれ、生命力あふれる延命長寿の樹とされています。『松竹梅』にも名前が登場し、縁起良く、おめでたい吉祥のシンボルとして知られ、材は針葉樹の中では堅牢で、水気に強いことから建物の梁などに利用されます。

美しい木目の部分を厳選し、1膳1膳手削りで削り出します。更に美しい木目が際立つよう本うるしを使った「拭き漆仕上げ」を施しました。

長い歴史を見守ってきた【松の古木】に、御箸としての新たな命を吹き込み、『星野リゾート 界 熱海』と皆様とを繋ぐ【縁の架け箸】となれば幸いです。

お寺の改築工事で見つかった【欅(けやき)の古材】から作った御箸

本漆を用いた【拭き漆仕上げ】で、欅の美しい木目が奇麗に浮かび上がります。
紙箱に入れ、【男性用】【女性用】で包装紙の色を変えて、きれいに包装。

◆今回、静岡県のお寺のご住職から、「お寺の改修工事の際に出てきた欅の古材から御箸を作ってもらえないか」という御相談をうけました。

お話を聞くと30年ほど前から置いてあった欅の古い板材が数枚あり、これを使ってお寺の改修工事に関わった方々への御礼の品として御箸を作って渡したいという御依頼でした。

欅は木目の美しい木材で、大きな木目と木目の間に、細かい波状の木目『綾目模様』が入るのが特徴です。これをきれいに表現するには漆仕上げが最適で、今回は本漆を用いた『拭き漆仕上げ』で、男性用と女性用の計17膳を作りました。

納品後、お礼のご連絡をいただき、「渡した方がもったいなくて使えないとおっしゃっています。」という喜びの声を聴かせてもらいました。『欅の古材』に縁ある方々に喜んでいただけたのは、本当にうれしく思います。職人冥利に尽きる、ありがたい御依頼でした。

御依頼御主様と共に成長してきた桜の木から作った夫婦箸

◆今回は大阪のお客様からの御依頼で、永年庭に生えていた桜の木から記念品となる御箸を作って欲しいという御依頼でした。

くわしくお話を聞くと、御依頼主様が幼少の頃、ご両親が庭に桜の木を植えられたそうです。
その木はさくらんぼができる種類だったようで、毎年さくらんぼの実が出来るのを楽しみにされていたそうです。永い歳月にわたり御家族を見守り続け、様々な恩恵を与えてくれた桜の木ですが、どうしても切らなくてはならない事情ができ、そのまま処分してしまうのはあまりに忍びないという思いから私共の方に御相談に来られました。

丸太のままで持ってこられたので、「切ってみて乾燥させてみないと、きちんとした御箸に仕上がるか分かりません」とご返事し、しばらくの間材料を預からせていただきました。そして本日、ようやく出来上がった御箸をお渡しすることが出来ました。見ていただいて最初の一言が「うわ、きれい」と言っていただけたのが印象的で本当にうれしかったです。ちょうど今日がご両親の誕生日だそうで、「これからすぐに渡しに行ってきます。」と大変喜んでいただけました。

全部で17膳分の御箸を作らせていただいて、夫婦箸以外の残りは年末と年始に集まる親戚の方に配られるそうです。この御箸が桜の木に縁ある皆様にとって、記念に残る特別なお年玉になる事を願っています。

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